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顎変形症とは?
顎変形症は、上顎や下顎の形状や位置が正常からずれている状態を指します。これらの異常は発音や咀嚼、さらには見た目に影響を及ぼし、患者様の日常生活や自己評価に大きな影響を与えることがあります。顎変形症の治療はきづがわ矯正歯科で行います。
顎変形症の種類
顎変形症にはいくつかの種類があります。
下顎前突症
下顎が突出しており、一般的に「受け口」や「しゃくれ」と言われる状態です。下顎が大きすぎたり、上顎が小さすぎたりするなど、患者様によって症状は異なります。
上顎前突症(下顎後退症)
下顎が小さい、または丸くなっている状態で、出っ歯になることが特徴です。
下顎骨側方偏位
顔が左右のどちらかに曲がっている状態で、咬合平面が曲がっており、上下の歯の正中がずれています。下顎だけがずれている場合と、上顎と下顎の両方がずれている場合があります。
顎変形症の矯正治療
顎変形症に対しては、矯正治療と外科手術を組み合わせて行います。これを「外科矯正」と言います。この治療の目的は、咀嚼、発音、および見た目の問題を改善することです。外科矯正は府や県の指定を受けた医療機関で行われ、健康保険が適用されます。
京都府木津川市のきづがわ矯正歯科では、顎変形症や口唇口蓋裂(育成医療・更生医療)の指定医療機関として、患者様一人一人に最適な治療をご提案いたします。
外科矯正のタイミング
顎変形症への矯正治療は、手術を前提に行われます。手術時には上顎骨と下顎骨の成長がほぼ終了していることが必要です。
女性の場合は14歳ごろ(中学2年生から高校1年生)、男性の場合は16歳ごろ(高校1~3年生)が一般的な治療開始の時期となりますが、個人差があります。
また、手術の最適な時期は、大学入学後の夏休みや高校卒業後の春休みなど、長期の休みを利用することが一般的です。大人の患者様の場合、入院期間やお仕事の内容などを考慮し、治療開始から1~3年後に手術が可能な時期を選ぶことが重要となります。
顎変形症の外科矯正
顎変形症の外科矯正は、口腔外科手術を組み合わせた矯正治療です。一般的な矯正治療だけでは改善が困難な顎の骨の大きさや位置の異常、あるいは咬合の異常などが見られる場合に行われます。手術によって顎の位置を調整し、その後の矯正治療によって理想的な咬み合わせを実現することが目的となります。
矯正歯科が健康保険の対象となるのは、特定の先天異常や顎変形症、前歯が3歯以上の永久歯萌出不全の場合となります。また、これらの疾患を持つ患者様は、指定自立支援医療機関であれば、保険適用で矯正治療を受けることができます。
外科矯正の流れ
外科矯正治療は、通常の矯正治療と口腔外科手術が組み合わさった治療方法です。その流れは、術前矯正治療、顎矯正手術、そして術後矯正治療の3段階からなります。
初回の診察
初診では患者様の状況を診察し、現在の問題点や考えられる治療方法について説明します。矯正治療と併せた手術が必要と判断された場合、手術の詳細についても説明します。
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検査
問診、視診、レントゲン、歯の型取り、写真撮影などの各種検査を実施して、必要なデータを収集します。
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診断と治療方針の決定
検査結果をもとに、問題点と対策を明確にします。治療方針をいくつか提案し、それらについて詳細に説明します。ここで外科矯正の適応が最終的に決定されます。
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口腔外科の診察
手術を依頼する口腔外科にて診察を行います。口腔外科医が治療方針と手術の詳細を確認し、CT検査などの必要な検査や親知らずの抜歯などを行います。
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術前矯正治療
これは月1回、10~24ヶ月にわたって行われ、顎を手術で移動した後に咬み合わせが安定するように歯を整列させます。術前矯正治療の間は、咬み合わせが一時的に悪化することがあります。
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手術日程の確定
術前矯正治療が順調に進行したところで、再び口腔外科を受診し、手術日程を決定します。検査や自己血貯血の準備などを行い、手術に備えます。
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入院と手術
手術の数日前から入院し、手術を行います。手術後の入院期間は通常1~2週間程度ですが、手術方法や患者様の回復状況、施設によって異なります。
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術後矯正治療
手術後6ヶ月から1.5年ほど、月1回の術後矯正治療を行います。これにより、手術による顎の位置変化の後退を防ぎつつ、安定した咬み合わせを得ることを目指します。
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保定期間と観察
治療が完了し、咬み合わせが確定して顎の位置の後退もないことが確認されたら、固定器具を取り外し、着脱可能な保定装置で経過を観察します。この期間は数年続きます。
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プレート除去手術(必要に応じて)
顎の骨を固定するためのチタン製のプレートや、スクリューを取り除く手術を行うことがあります。術後1年以上経過し、顎の骨が安定したと判断された時にこの手術が行われます。
こちらの手術は骨を削ったりするものではなく、患者様への負担や入院期間も比較的少ないものとなります。ただし、すべての方に必ず行うものではなく、口腔外科医との相談により決定されます。
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公費補助について
倉田歯科は、自立支援医療、育成医療、更生医療の対象病院として認定されております。適切な手続きを経ることで、矯正治療や手術が保険適用となり、育成医療による公費補助が受けられるようになります。